○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋                 NO.90 山ちゃんの 人事・総務知恵袋               平成28年3月18日号      ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ <会社名(漢字)> <お名前(漢字)>様 いつもお世話になっております。 経営者・幹部の方に役立つ、労務の情報第90号を                            送信させていただきます。 このメールは、ご登録下さった方と        私がお会いして名刺を交換させていただいた                     大切な方たちにお送りしております。 社会的にも様々な問題が山積している中、                    少しでも御社のお力になれれば幸いです。 暖かい日が続いたかと思うと急に寒くなるなど この時期は体調の管理が難しいですね。 年度末に向け、何かと忙しくなりますが 気持ちを落ち着けてひとつひとつクリアしていきましょう。  パートナーコンサルタンツ                       特定社労士 山岡正義      http://www.p-consultants.jp                              ○……○……○……○……○……○……○……○……○……○……○……○ 【 内 容 】 1.「カトク」に狙われるのはどんな企業? 2.「マタハラ」に関する初の調査結果が公表されました 3.ワタミ事件で注目される「懲罰的慰謝料」 4.山ちゃんのつぶやき… ○……○……○……○……○……○……○……○……○……○……○……○            ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 1.「カトク」に狙われるのはどんな企業? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「カトク」とは、2015年4月に厚生労働省が東京と大阪の2労働局に設置した「過重労働撲滅特別対策班」の通称です。靴販売チェーン「ABCマート」が企業名公表のうえ書類送検された件で注目されています。 配置された労働基準監督官は東京7人、大阪6人で、経験豊富なベテランが揃い、中にはパソコンに保存された労働時間に関するデータの改ざん・削除にも対応できるメンバーもいるそうです。 発足のきっかけは違法残業の多さです。厚生労働省が2014年11月にいわゆるブラック企業の疑いがある4,561事業所を調査したところ、半数以上の2,304事業所で違法残業が発覚しました。「カトク」はこの結果を受け監督指導・捜査態勢強化のために新設されました。 ABCマートの事件では、1店舗で36協定未届けで月100時間を超えるの残業をさせた疑いが、別の店舗では36協定で定めた残業時間数を超えて月100時間を超える残業をさせた疑いがもたれており、指導を繰り返してもなかなか是正に至らなかった点、月100時間を超える長時間残業が特に問題視されたと東京労働局監督課課長が述べています。 なお、企業名公表は(1)月残業時間が100時間超、(2)1事業所で10人以上あるいは4分の1以上の労働者が違法残業、(3)1年程度の間に3以上の事業所で違法残業、などに該当する企業が対象とされています。 36協定の締結・届出が適正になされているか、限度時間は守られているか等、改めて確認しておきましょう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2.「マタハラ」に関する初の調査結果が公表されました ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 厚生労働省はマタニティ・ハラスメント(マタハラ)に関する初の調査結果を公表し、派遣社員の48.7%が「マタハラを経験したことがある」と回答し、正社員の21.8%を大きく上回ったことがわかりました。契約社員は13.3%、パートタイマーは5.8%でした。 受けたマタハラの内容については、「辞めたら」といった嫌がらせの発言を受けたという人が47.3%と最も多く、「雇止め」が21.3%、「解雇」が20.5%、「退職の強要や非正規社員への転換を強要」が15.9%と続いています。 派遣社員が最もマタハラの被害を受けている背景には、派遣先企業からの契約打ち切りや他の派遣社員への交代を求められるケースがあることや、登録している派遣会社の担当者とも接するため、マタハラを受ける機会が相対的に増えると分析されています。 こうしたマタハラ被害を防ぐため、厚生労働省は今後「育児・介護休業法」と「男女雇用機会均等法」を改正し、企業にマタハラ防止策を義務付ける方針を示しました。 具体的内容としては、相談窓口の設置の義務付け、派遣会社だけでなく派遣先にも育休取得を理由にした派遣契約の打ち切り禁止などの対策強化を盛り込み、2016年中に意見を取りまとめて2017年の実施を目指すとしています。 今後の動きに注目しておきましょう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 3.ワタミ事件で注目される「懲罰的慰謝料」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 懲罰的慰謝料とは、加害者が不誠実であったり悪質である場合に、加害者に高額の慰謝料を課すことで見せしめとしたり、経済制裁的な作用を持たせようとする考え方に基づいて認められる慰謝料で、損害の回復のほかに違法行為の抑制もあるとしてこれまで英米法の国や州で認められてきました。ファーストフード店で買ったコーヒーをこぼしてやけどを負った客に対して約3億円の賠償金の支払いが命じられた例もあります。 日本でも過去に大型トレーラーの脱輪事故で請求されたケースはありますが、これまでに認められたものはありませんでした。日本における損害賠償はあくまで損害を填補し、原状を回復することが主な目的とされてきたからです。 これまでの過労死・過労自殺の損害賠償訴訟でも(1)死亡による精神的苦痛に対する慰謝料(2)死亡しなければ得られたはずの収入を填補する遺失利益(3)葬儀費用等が請求内容となり、様々な事情を斟酌して損害賠償金額が算出されますがあくまでも死亡による損害を回復するという考え方に基づいて計算されています。 ところが、今回のワタミ事件では会社は1億3,365万円を支払うことになりましたが、このうち上記(1)の慰謝料の部分が相場で2,000〜2,500万円のところ懲罰的慰謝料と合わせて4,000万円とされ、これに上記(2)7,559万円等が加算されています。 この「懲罰的慰謝料」が認められた点が、過去の事件とは大きく異なると言われています。 ワタミ事件で原告側代理人を務めた弁護士は「今後同様の事件を起こした企業には、司法判断としても社会的非難としても、厳しい判断が相次ぐだろう」とコメントしています。労働基準行政でも、1で取り上げた「カトク」による監督指導・捜査態勢強化により、違法な長時間労働の是正勧告に従わない企業名の公表、送検といった取り組みがいっそう本格化しています。今後コンプライアンスの意識を持たない企業は淘汰されていくと考えられます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 山ちゃんのつぶやき… ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ※1 「過重労働撲滅特別対策班」が、東京と大阪で設置され、多くの違法残業が発覚しています。    政府も本格的に過重労働に対して取り組んでいきますので    36協定の届出、限度時間の厳守の確認が必要です。     ※2 マタニティーハラスメントに関する調査結果が公表されました。    いじめ、いやがらせと同様な発言を受けた人が多く、特に派遣社員が異常に高い数値が出ています。    企業に防止策を義務付ける方針です。 ※3 ワタミ事件では、懲罰的慰謝料が初めて認められ、今後、同様な事件についてはこの慰謝料が認められる方向です。    コンプライアンスについてますます意識した取り組みが必須になります。 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋    ■ホームページアドレス…………http://www.p-consultants.jp                    ■配信先などの変更………………下記アドレスまでご連絡ください。                   wakuwaku@p-consultants.jp                 ■配信中止の手続き        タイトルに「不要」とお書き上ご返信ください。                  wakuwaku@p-consultants.jp   ■ご意見・ご質問はこちらへ……http://www.p-consultants.jp/                    category/1312949.html